このちょっと怖いカラスのイラスト、タイの小学生向け教科書のイラストなんです。
タイ語教室で発音の練習にもこの教科書を使っているんですが、いろんな意味で驚愕のテキストです。
最初の方はイラストで登場人物紹介なんですが、なんとなく劇画調…ゴルゴ13みたいな感じ、小学生にウケる要素が全くありません。ファンシーとか、カワイイとか、キティちゃんみたいなのはタイの小学生は求めないんでしょうか? 主人公の มานี マニーちゃんの顔も劇画調。”ひみつのアッコちゃん”のアッコちゃんと”ゴルゴ13”のデューク東郷を足して割ったような感じ。眉間にシワはありませんが、目つきが鋭く、小学生なのに細すぎる眉がどこか物憂げで生活に疲れた感を醸し出します。
小学校一年生向けなので、使える単語が少ないとはいえ、理解に苦しむ文章が山盛りです。
มานี มี ตา ˈmaanii ˈmii ˈtaa
直訳すると ”マニーには目がある” ??? 最初はあまりのパラノーマルさに別の意味があるのかと思ったんですが、これで正解らしい。で、このあと ”カラスには目がある。” ”おじさんには目がある。” と、ダークな劇画調のイラストと共に続きます。
マニーちゃん家の近くには森があるんですが、見てもよくわからない動物のイラストが。単語を知っているか以前に、何度見ても?なんの動物かわかりません。なんですかコレ?!
別の課では、マニーちゃんがお母様に”どうしてマニーにはおばあさまがいないの?”と質問するんですが、お母様曰く”マニーにもおばあさまがいるのよ、でもここにはいないの。”
え、えええー! 小学生になるまでおばあさまがいるか疑問に思わないのもどうかと思いますが、お母様の答えも衝撃です。 事件かと思いました。もしかしてマニーちゃんのおばあさまは不法入国者で強制送還されたの?とか、なにか事件を起こして堀の中にいるの?とか、お爺様の話題が全く出ないのも不自然です。
先生にこの点を質問すると、「うーん、遠いところに住んでるんじゃないですかね〜? まあ、不自然なことがたくさんあるんですね。」と、あまり気にしていない模様。
以前、タイ人の中には論理的思考にかける人がいるってタイ在住の日本人から聞いたことがあるんですが、義務教育のテキストも少なからず影響あるんですかね?
まあ、”あるべき論”に囚われるよりはよっぽどいいかも。自由って素晴らしいね!