タイ語発音はタイ文字習得で上達する

タイ語の単語をせっかく覚えても、発音が悪くて相手に通じなければ全く意味がありません。むしろ誤解を与えたり、覚えるために使った時間分マイナスです。
特に日常使う音節の短い単語ほど、日本人には似て聞こえる単語が多く混同し易いというワナが待ってます。

たとえば、
トムヤムクンのクン、これクンとカタカナで発音した場合、タイ語では以下のバリエーションがあります。実際の自分の発音はiOSアプリ “Dragon Dictation” で確認してみて下さい。

กุ้ง ˈkûŋ エビ ー> 正解
กุน ˈkun 豚 ー> 声調と末子音が異なる
กึ่ง- ˈkʉ̀ŋ 半− ー> 声調と母音が異なる
ขึ้น ˈkhʉ̂n 上がる ー> 有気音で母音と末子音が異なる
ขึง ˈkhʉ̌ŋ 装着する ー>有気音で母音と声調が異なる

などなど、単独では意味を持たないものも含めるともっと増えます。
でもカタカナで表記すると全て”クン”です。

ここでの間違いのパターンは、

声調が異なる
無気音(ก)と有気音(ข)が異なる
末子音(ง 、น)が異なる
母音(ุ、 ึ)が異なる
上記間違いの組み合わせ

こんな短い音節の単語なのに、計算するのも嫌になる程の間違いのパターンがあるわけです。でも、日本語にはこれらの違いは定義されてませんから、日本語を母国語とするタイ語未経験者には全てほぼ同じ”クン”に脳内で変換され、記憶されると想像されます。

タイ語が通じない時に、なんで通じないのよ〜想像すりゃわかるでしょ!とブーブーしたくもなりますが、タイ語を母国語とする人にとってはこれらは明確な違いで、間違えること自体が想像できないのでしょうね。

タイ語学習の始めは、”読めない、聞き取れない、話せない” のヘレンケラー状態ですが、これらは相関関係で、読めないから話せない、聞き取れないから話せない、のかなと思います。
外国語としてのタイ語学習の場合、タイ文字の読み方と綴りを覚えればある程度(例外も多いので)発音は改善すると思います。なぜならタイ文字は表音文字で、文字と綴りを見れば上記の間違いのパターンは判別できるからです。もちろん頭で違いを認識できるイコール実際の発音が矯正されるというわけではありませんが、発音を矯正する際のヒントにはなります。

タイ文字を習得することで、読める ー> 発音できる ー> 聞き取れる のプラスのスパイラルができる…と信じて、がんばります。